2014年8月10日日曜日

旅とトイレの話 (1)



海外に行って楽しみたい事は幾つも挙げられるけれども、多くの人が“食べ物”と言う点は旅行形態に関わらずに、取り上げると思う。

海外に行って、自分たちの母国ではなかなかお目にかからない素材での料理や、その国の名物料理を楽しむと言うのは、日本人だけではなく、万国に共通するコトだと思う。 
でも、誰しもが共通しているのは、“食べたら出す!!”と言う点である。 
どの国の人でも、パッケージツアーの人だろうが、格安航空券を使った長期間の旅行の人でも、リッチな人でも、そうでもない人でも、皆人間、“食べたら出す!!”、これは変わりがない。 

僕が、海外から旅行に帰ってきてから、最初に“日本に帰ってきたな~”と思うのも、実はこの“出す”行為…。
いや、“行為”ではなかった。
行為はどの国だろうが変らないから。
出す箱、つまりトイレである。 

日本ほど清潔度数が高いトイレはなかなか海外では見られない。
お会いできてもそれは僕には全くご縁のない三つ星ホテルであったり、空港であったり、某世界的な赤い看板のハンバーガーチェーン位なモノで、なかなか出会える機会がない。
本当に日本のトイレと言うのは、清潔である。
ただ単に清潔なだけでなく、それがかなり地方に行っても、多少の新旧で程度の差はあるものの、旅行で行く様な場所では、まず清潔と言うアベレージがやたらと高いのが特徴だと思う。

トイレを清潔に保つには、まず利用者の心構えもあるだろうが、管理や保守面で大変な事だと思うのに…
なので海外から帰ってきて、トイレに入ると何故かホッとしてしまうことがある位なのだ。

キレイ!!

そして何と言っても
「紙がある!!!(これが案外、重要だと思う。出来れば海外においても持ち運びにおいて便利なポケットティッシュが町で配られるようになると、とっても助かると思うが、そんな事をするならきっとトイレットペーパーがどこに行ってもちゃんと付いているだろうな…)」
そして、日本って凄い国だったんだな~なんて実感してしまったりもする。

たかがトイレ。
でもされどトイレ。

やっぱ“食べた物は出す!!”からね。
それは万国共通の営み。 

さてそのトイレ。
日本にも“和式”トイレと言う物が存在するように、地域ごとに特色のあるトイレがあったりなんかもする。
紙がないイスラム圏やアジア圏のトイレや、紙を流せないトイレ、最近は改善されてきていると言う扉がない中国の古いトイレ、トイレの下が海や湖、ブタ小屋だったりするトイレ…
日本ではまずお目にかかれないトイレ達である。 

さて、そんな海外のトイレで迷う事がある。 
それは便座のないトイレ達である。
これっていつもどうやって用を足すんだろう…と思う。
縁の所に足を乗せて済ませるべきなのか、それとも中腰のままするのだろうか…
便座の変わりに足を載せるスペースがちゃんとある地域もある。
って、それならわざわざこうしたタイプにせずに、和式みたいなスタイルにすればいいのに…とも思うのだが。 
どうやって用を済ませるのか、いつも迷う。
現地の人は、旅人たちはどうやって用を足しているのだろうか…と。
そしてそういった話って言うのは何だかあまり聞き易い物ではない。日本語でも聞きずらいのに、語学不堪能な僕が現地の言語や英語でなんて、到底聞ける訳がない。 
でも、便器を見ると確かにキレイとは言い難いトイレでも、あまり縁の部分に足跡や泥が付着している事は少ない。
って事はきっと中腰が主流なのかも知れない…
いや、これはあくまでも勘だけれども。 

日本ではまずありえない、便座無しトイレ。
日本では“洋式”トイレと呼ばれるモノ。
“洋”式とは言うものの、これは勿論、東洋の洋ではなくて西洋の洋であるコトは間違いがないと思う。
しかしながらこれが世界各国、どの地域に行ってもこれが主流。

便座などの管理もまともに出来ないのか、それとも便座に素肌を付けると言うのに抵抗があるのか、ともかくそんな地域にこの形のトイレを導入したのがそもそもの間違いだと思う時がある。 

トイレ… 
一口に言っても世界不共通。
する事が同じなくせにどうしてここまで違ってくるのだろう…と思う。
どうせ“出す”だけなのに。 
和式に見えるスタイルの便器でも日本とは違う事があり、それは座る向き。
それは実感としては日本が世界から見れば、特別なのだと思うのだが、日本で和式だと奥に向かって座って用を済ませるが、基本的には扉に向かって座るケースが多い様に思う。
そういえば、日本でも洋式だと扉に向かって座る訳で、それの延長線上だと思うえば、納得できるとは思うけれども。もし、鍵を閉め忘れた、もしくは鍵が閉まらないトイレで運悪く、用を済ませている場合に他の人が入ってきた時に、見られて恥ずかしいのは、顔だろうか、それとも尻だろうか。
和式スタイルだと尻を見られてしまうが、顔をはっきり見られないので、誰だかは分かり難い。逆だと尻は見られないけれども、きっと顔ははっきり見られてしまう。


……どっちもどっちですね、きっと。 
だが、その一方で男性用の小便器って言うのはそこまで変わり映えがない。
せいぜいインドの公衆トイレ(って言っても男性用しかない場所が多かったのは、何故だろうか)のように溝があって、その上に軽い仕切りがあり、後ろから丸見え型(それが発達すると1枚壁が出来て外から見えない型になり、日本と同じ様になる)か、便器がない型かどうか位だろうか。
そこまでぎょっとする様な男性小用トイレには今の所、お目にかかった事がない。
寧ろ、海外の小用便器で一番驚くのは、位置が高い時だ。足が短いだけなのかも知れないけれども、便器の下部にぶつかりそうになる高さの便器が時々ある。そしてそういう所に限って、絶対子供用便器なんてものが存在しない。まだ僕より背が高く、足もスラッとしている 人が多い西洋諸国なら分かる気がするけれども、インドとかでもよくこの背の高い便器に出会ったのは難儀だった。

何故…?
って思わず突っ込みながら用を足したけれども。
大体、子供はどうやって用を足すのだ!?
まだ3歳とかなら大人が近くにいそうなものだが、小学生クラスになったらどうするのだ!? 

……あ、外でやるのか、きっと。 
それを考えると、マクドナルドは凄いな~と思う時が多い。子供用の背の低い小便器が用意されている店が案外多いからだ。トイレットペーパーが常備されている店(国)も多いし、まず清潔だし。
日本でもよくその飲食店が良い店か悪い店かの判断として、トイレが清潔かどうかで図る事が出来ると、飲食店に勤務していた時に聞いた事があるけれども、海外でマクドナルドに行くと、なるほどな、と実感してしまう事がある。
ま、逆にマクドナルドに入ると、ほぼ必ずトイレに行くようにしているが、マメに清掃されていないと何だかショックを受けてしまうんだけれどもね… 

さて、今までで一番、この型のトイレは微妙だな~と思ったのが、ヨーロッパでは“トルコ式”として知られている型のトイレ。
初めて出会ったのは、パキスタンのラワールピンディからカラチに向かう列車の中のトイレ。丸1日以上の列車で、荷物が心配でトイレになかなか行けず我慢していたが、さすがに限界が来て、荷物を網棚に鍵を掛けて置いて、いざトイレに行ってみたら、んっ!?って声を発してしまったトイレだった。
まず電気が点かない…
扉を閉めると真っ暗。
でも扉を開けているとガタゴトと揺れる列車。
振動でどんどん扉が開いて行く… 
「ま、小だしいいかっ」なんて思いつつ、扉を開けたままにしつつ、考えてしまった。
穴があるのでトイレなのだろう。
でもどうやって用を足すのだろう、と。
穴があって周囲には薄い溝がある。その溝の中に浮島の様な足の形をしたでっぱりが2つ。
どう考えてもここに足を乗せて用を済ませるのだろう。
んで、実際済ませてみたけれど…
今度は水がない!!
トイレ内にはちょっとした手洗い場所はあるけれど、水を流すモノもない。
ま、小だったからそのままにしちゃいましたけど。でも揺れる車内。何だか大をする気にはなれない一番のトイレだった。もし大揺れが来たら足が溝に滑ってしまいそうで。幸い便意はそれ以降来なかったけれども。 

逆に好きな型もはっきり言える。
東南アジアやイスラム圏で見かける紙拭き型ではなく、手で拭く型だ。
あれはエコロジーだし、早く事後処理が出来るし、便利快適。
特に手で拭く時に使う水が、シャワーホース付の場所だと嬉しい。
地方などに行くと、やはり入り口に水が貯めてあるバケツがあり、それをすくってから便座に向かう所や個室内に蛇口と桶が置いてある型よりシャワーホースが付いているとピンポイントで事後処理が出来るのでかなり楽だし、シャワーホースが付いているトイレだと、便を流すのはほぼ水洗式になるのも楽(桶型だとその桶に水を入れて手動で流す所も多いので)。
日本でもそうならないかな~なんて思った事もある位だけれども、夏場はともかくそれ以外の季節だと乾きにくいから不便そうで、苦情が来るだろうな、きっと。 

トイレ… 
どうしてあんな小さな空間でここまで様式が変ってくるのだろう。 

かなり謎だ。
でも、食事と同様、我慢する訳にはいかないコト。
海外旅行に行くに従って、徐々に“面白いトイレに出会わないかな~”なんて思ってしまっている自分がいるのは、何故なのだろう… 


(完)

0 件のコメント:

コメントを投稿